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本陣も七夕様

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鬱陶しいなあ~と思いつつ、今まさに梅雨本番である。
朝から降る雨も、時折激しくバシャバシャと音を立て降っている。予定した日が、変わって欲しいとのことで引き受けたが、まさか天気まで読みきれず、こんな日に本陣勤務になってしまった。
建物の内外には季節感漂う、七夕飾りが目一杯飾られ、来館者にも願い事をと書いて貰おうと短冊まで用意されたが、生憎の雨に七夕の願い事をよそに出足は全く鈍かった。

七夕期間中にこうした日本古来の伝統行事の言い伝えを追いかけている先生が来られ、奥の居室に赤い絨毯しいたり、南側の廊下に舞台を造り、季節の野菜や果物、繭から手回しで糸を摘む機械などを飾り付けていた。
100坪の建屋に軒に伝わるリズミカルな雨音と土間に置かれたカセットから流されるBGMが余り、気障りにならず、日本家屋の雰囲気作りを演出していた。

そんな折りに二人連れのおばちゃんがザクザクと中庭に音を立てて着たが、土間を覗き込んで、声をかけるまでもなく、場違いとばかり、逃げて行ってしまった。(笑い)
「来ないですね~」と思わず先生から声がかかる。
「この七夕時期の平日の生憎の天気ではこんなものでしょう」と半ばこの雨が羨ましかったが騒々しく、ざらついた世の中、追われることなく時計が止まったような空間を一人じめ出来るのは何とも贅沢なこととも思えた。
飾られた床の前に、古来七夕は大陸から渡った、行事であるが、それぞれの言われに、日本人の感性で実に素晴らしいものを残していることを先生から教えて頂いた。
例えば
この時期に行われる「盆踊りは何故反時計に廻るのか?」
時計方向は時が進むので、今から未来への世界であるが、反時計は過去を振り返る、つまり仏様を迎える、お盆の行事と連動した、一つの大事な約束ごとでもあるようだ。成るほど、つまり仏様、先祖様を迎える、大事な儀式で反時計廻りのようである。
更に仏様を迎える時は馬で、お別れし送る時は牛を使っている。
ならば「佐藤彦五郎」を馬で迎え、この時ここに居るのではなかろうか・・・。

泰平を極めた幕府の時代も終わりを告げ、官軍に追われるなど千変万化の幕末を何とか乗り越え、維新の時代を迎えたが、勇や歳三も幕府の終幕を追うように亡くなってしまった。
甲陽鎮撫隊の勇達に手助けをしたことが官軍に割れ官軍に追われ、五日市の大久野村の羽生家に一緒に逃げ隠れた最愛のおのぶさんも明治10年に亡くなり、彦五郎は一人残されてしまった。
名主など要職は既に息子の源之助に譲り、悠々自適の世界でここから眺めながら激震の過去を振り返り、そろそろ彼らの元にお呼びがかかるのではなかろうかと思ったに違いない。
庭先にはざくろの真っ赤な花が開き満開であった。思い切り四肢を伸ばし、同じ目線でこの広い庭の姿を重ねて見た。季節感漂う七夕さまをここでじっくり味わう事が出来た。

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04、佐藤彦五郎・日野宿本陣」カテゴリの記事

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