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江差で念願の「開陽丸」と対面

                                                      < 江差港>

Img_91791 毎年の北海道旅行、豊かな大地、その魅力にとりつかれもう何回続けたろうか、恒例行事になってしまった。
同乗者の意向もあって、ごく一般的な旅に道央か道東で、偏った新選組絡みの道南は封印していた。
まあ、そんな折り、拝の特別な思い込みから、同乗者の理解もあって今年は道南ということにしてしまった。
道南と言うと定番の如く五稜郭と函館山周辺であるが、どうしても、幻の「開陽丸」ガ見たかった。
そこで鯨の尾っぽもような渡島半島を旧幕府軍が上陸した鷲の木の内浦湾(噴火湾)から縦断し、日本海側に出て、新政府軍が上陸した乙部から江差にきてしまった。

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江差の町並みに高い建物の合間から、あの超高い3本マストがちらちら見えるころ、あれが目標の「開陽丸」だと興奮冷めやらなかった。
鳥羽伏見の戦いで旧幕府軍はやぶれ、未だ戦闘体制のある中で徳川慶喜は、大阪から「開陽丸」で密かに逃げ、品川沖から上陸し江戸城へ向かった。江戸開城後、今度は榎本武揚が抗戦の意志を持つ、脱走兵を集め、旗艦「開陽丸」として艦隊を組み品川から蝦夷へ目指す。
榎本艦隊は品川沖を就航間もなく、銚子沖で暴風雨に遭遇し、乗船者共併せ、「咸臨丸」、「美賀保丸」を失ってしまう。
「美賀保丸」は銚子沖で座礁し沈没溺死する者、捕縛され処刑されるなど犠牲者が生れた。「咸臨丸」は相模湾を漂い、清水港で追討の軍艦を差し向けた新政府軍が白旗を掲げ降伏の意志を示す咸臨丸に乗り込み、乗組員を惨殺し36の遺体が清水港に投げ捨てられる悲劇も生まれた。
品川から逃走した「開陽丸」は途中で仙台に寄りその後加わった「大江」「「鳳凰(ほうおう)」2隻と仙台に結集した奥州諸藩やその他の旧幕府軍を収容し大鳥圭介や、土方歳三など幹部と彰義隊、伝習士官隊、砲兵隊、新選組など中小所隊を加え、総員およそ2300余りと言われている大部隊を蝦夷の地へ送り込んだ。
旧幕府軍は函館を落とし、榎本は「開陽丸」に搭乗し、函館に入港する。21発の祝砲とどろく中を上陸し、五稜郭に入った。
函館戦争で榎本が一番の得意とした場面であった。榎本の乗船する「開陽丸」は江差沖に到着、江差弁天や愛宕山の台場に砲撃し、陸兵を上陸させ、殆ど抵抗もないまま占領する。
所が夜になり、風雪猛烈をきわめ、ついにいかりが引かれ、どんどん岸辺に押し流され、暗礁に乗り上げ自由を失い数日後沈没する。
明治元年(1868)殆ど函館戦争で戦えず此処江差港で没してしまう。
最初の太平洋横断など華々しくデビュした「咸臨丸」は明治新政府の配下となり北海道開拓の一用船として北海道開拓使用達(ようたし)の運送業者に払い下げになり、物資・人員の輸送に当たる。しかし、同船も「開陽丸」の後を追うように明治4年(1871)函館港外で座礁、全壊し海中に没している。
荒れ狂う海にその姿を消してしまい、品川沖で手を携えた両船とも北の海で、没したのも何故か因縁めいている。
その姿を追って此処江差まで着てようやくその雄姿を前に感動した。

Img_92761 幕末の戦争遺稿として江戸湾にあるいは横須賀に台場跡を見てきたが、何れもだけで、殆ど何も残っていなかった。
そんな意味で、目の前の「開陽丸」と引き揚げられた大量な砲と砲弾の生の姿にようやっと出会い、戊辰戦争の終幕を活字からの想像の世界から当時の世界に巻き戻してくれた。

奉行所の復元で賑わう五稜郭に引き換え、江差の「開陽丸」は初年度12万に達した入館者も年を追って減少、最近は年間2万人ということで平日でもあったが、入館者は少なく寂しかった。
陸路伝いに江差の町に入り、遠目の雄姿から、いざ甲板に上がってみると、復元後の長い年月に、海風にさらされ、かなり木部の痛みが目についた。しかしそれも今年(2010)11月から改修するようで、化粧された姿で再びフアンの前にデビュウするようである。
そんな暴れ回る海難を引き起こした江差の海は、風もなく、波もなく全く静かな海であった。
江戸からはるばる蝦夷の江差へ、そして後ろ髪引かれる思いで「開陽丸」に別れを告げた。詳細は以下でご案内

開陽丸

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