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国境の垣根を越えて伝わるもの

               <日野宿本陣、中庭>

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朝は氷点下の厳しい世界が続いている。
本陣の式台は威厳を表す格式の世界であり、何時も開けっ放しで北風が建屋に吹き抜け寒さが畳からも伝わってくる。
佐藤彦五郎の妻、おのぶさんが亡くなったのは明治10年1月16日の雪の日と記録されているが、丁度今頃の正に寒い日に47歳の生涯を閉じた。
こんな寒い日に、熱心な来館者が訪れる。戊辰戦争の奥羽列藩同盟の縁の、仙台やその周辺から色々な想いを巡らし、じっくり見ておきたいと言うことであった。

◇シンガポールから新選組
一方、外見は日本人と殆ど変わらぬシンガポールの女性の二人がサポートも無く、訪れた。

単に和風建築の日本文化の触れ合いに観光目的の来訪と思ったが、れっきとした「ヒジカタ・オキタ・サイトウ」などの人物が自ら出てくる 新選組フアンと聞き驚いた。
日本語は理解していると言うが、通常の会話なら問題ないが、専門用語などはやはり首傾げ、時には筆談に頷き、一歩一歩、彼女らの理解を確認しながらゆっくりしたペースで進めた。
幸いにして他にお客も居なかったことから、二人にフルサポート出来た。
案内しながらも熱心に聞き、頷く姿に「何故、シンガポールで新選組」がむしろ気になって、仕方がなかった。
一通り、案内を終わり、愚問かも知れないが、尋ねたら、どうやらアニメのようであった。

家に帰ってその仔細を調べる。新選組アニメ『薄桜鬼』であった。
エンタメ業界からも注目される年末の一大イベントとなった「コミックマーケット81(コミケ81)」(2011年12月29~31日)の参加者総数が50万人を記録した。震災・超円高により海外から遠征する参加者・・・の記事に始めて納得した。

お二人はお勤人、わざわざ休暇を取って来日、その一日がどうやら本陣であったようだ。彼女達曰く、日本人は年末、年始に沢山休むが、私達は働け、働けで、年始にそれ程の想い入れもなく、通常の休暇の一環での来日と言われた。

◇chejuの地で、司馬遼太郎の登場
話が変わるが、数年前、韓国のchejuで流暢な日本語を駆使した献身的な女性ガイド文(moon)さんにお世話になった話を此処でも書いた。
仕事で韓国と関わりを持ち、多数の出会いがあったが、文の姓は少ない部類と思うが、chejuに生れ、育った生粋のcheju人であることが後で判った。彼女の広い知識に、観光地、食事所、お土産屋とcheju島内の東西南北を楽しく駆けめぐった。
そのmoonさんの口から何と、司馬遼太郎の「眈羅(たんら)紀行」の紹介があった。日本に隣接しているとはいえ異国の地でmoonさんが淡々と語る、中に突然の司馬作品の登場に驚いた。

全国を歩く「街道をゆく」シリーズは何冊か読んでいるが、「眈羅紀行」は見落としていた。

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◇国境を超えた二つの外国人の話し
アニュメ『薄桜鬼』や司馬遼太郎の紀行文、国境の垣根を越えて、色々な形で情報や文化が広がり知れ渡っている現実の世界に驚愕した。
激しく燃えるナショナリズムに領土問題や過去の歴史問題をマスコミで鮮烈に報じられるが、一方では若い世代など、こうしたチャンネルも静かに広がって居る事に安堵した。

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04、佐藤彦五郎・日野宿本陣」カテゴリの記事

コメント

日野宿本陣の紹介があるたびに、その落ち着いたたたずまいに、こちらでは本陣が無い?ので、一度訪れてみたいなあ、と思います。
 いつになるかわかりませんが、その節にはよろしくお願い致します。
 さて、本日テレビのBS歴史館で、新撰組が取り上げられるので、グッドタイミングの記事かな、と。
 シンガポ-ルには、国際結婚をして現地に住む、
大学時代の友人がいます。私も二度訪問した事がありますが、日本の歴史や文化に興味を持ち、訪れてくれると言うのは、嬉しいことですね。
 韓国人の女性ガイドの話も、嬉しいものでした。
慰安婦問題など、難しい話はありますが、基本的には、あらゆる国同士が仲良く、戦争は起こさない、
それを忘れてはならないと思います。
 

投稿: 鳴門舟 | 2012年1月12日 (木) 06時15分

鳴門舟さんこんにちは
お近くの所として東海道、草津宿本陣などは行かれましたか?
甲州街道、日野宿は東京都で唯一残された旧本陣ですが、建坪約100坪で、隣にもう一軒有りましたがマンションに変ってます。

東海道は参勤交代など、行列の規模が全然違うので草津宿旧本陣も比較にならない大きいようです。

昨年は中山道の諏訪宿本陣を見てきました。皇女和宮の降嫁で色々なものが残されていました。
岩波家の末裔のおばあさんが、声を振り絞っての案内が印象的でした。

色々な幕末フアンが訪れ、唯一社会との接点として大事にしています。外国人との出会いに驚きました。
都合が付けば周辺のご案内も可能かと思います。

投稿: 隠れ新八 | 2012年1月12日 (木) 18時13分

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