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「新選組縁の八王子駆けめぐる、その2」

前回の記事「新選組縁の八王子駆けめぐる、その1、」から続く

③追分、同心碑

Hatioji43 甲州街道と陣馬街道が重なる交通の要路の追分交差点は八王子千人同心屋敷があった跡を示す千人同心碑が立っている。
この一帯が「千人町」と言われる地名が付いている。
天正10年(1582)甲斐武田氏は織田信長・徳川家康の連合軍の攻撃を受け滅亡した。
甲斐は徳川の支配下となり、武田旧臣を徳川家臣団に組み入れられる。武田時代の小人組の警備体制が徳川時代に引き継がれ、後の千人同心になる。
日光東照宮の警備、蝦夷地の開拓などを行い、幕末には一次、二次の長州征伐や横浜の外人警備、品川のお台場警備など幅広く行い、江戸幕府を支えた。
八王子千人同心の中から医師、文人、思想家などの多くの学識者を輩出し、地域に文化的な影響も与えた。
天然理心流の普及を果たした近藤三助の有力門人8名中、増田蔵六、宮岡三八、松崎正作の3名が千人同心である。
指南役として千人町にも道場を持ち多くの千人同心を門人とし天然理心流が千人同心に広まった武術である。

④大法寺
柚木街道、国道16号、八王子バイパスが交差し、首都圏を囲む環状路の要所として、激しく行き交う交通の要路に
遣水がある。その遣水に横倉甚五郎の墓があり、横倉家の菩提寺である大法寺がある。

Hatioji4a03

横倉甚五郎は武蔵国八王子堀之内出身で土方歳三、土方勇太郎と同じ時期に天然理心流に入門している。
元治元年(1864)10月新選組に入り、竹田観柳斎の配下六番隊に配属し、伊東甲子太郎暗殺事件。紀州藩士三浦林太郎を挟んで襲撃する、土佐陸援隊・海援隊と保護する新選組と激闘する天満屋事件。高台寺党残党から襲撃を受けた近藤勇を護衛など、大きな事件に加わっていた。

戊辰戦争の幕府軍の移動と共に勝沼~流山~会津~蝦夷へと各地に転戦。弁天台場で降伏するまで戦い抜いたが、京時代の油小路事件や坂本竜馬暗殺事件などを追求され、哀れ獄舎で37年の短い生涯を閉じる。

弁天台場で旧幕府軍降伏弘前~青森移動しながら謹慎生活を送る。文才、画才のあった甚五郎は筆を取り慶応3年~箱館戦争終結までの隊士動向を付記した名簿を残している。自画像や近藤、土方も絵描き数々の墨絵を残し、中島登の戦友姿絵を残す強力な動機付けとなった。
中島登とは天然理心流を納めた同じ武州人で、戊辰戦争で共に戦い、箱館降伏後の謹慎中も同道した。
中島登、横倉甚五郎とも、絵心を持ち、通じ合うが、箱館降伏後、片や放免され自由の身になるのに対して、片や獄舎で処刑で象徴的な運命の違いであった。

「義のためにつくせしことも水の泡打ちよす浪に消えて流る々」
義のために一生懸命尽くすも、その意志が通じなかったのか、打ち寄せる波に泡のように消えてしまうのであろうか、獄中で果てる運命を前に諦めとも思える、辞世の句を残し、亡くなっている。

元治元年(1865)志を持って江戸で隊士募集に応じ、函館で 降伏を迎える明治2年(1869)までの約5年間、精一杯、義のために尽くしたが、意に添えず時代の変化に消されてしまった。そんな悔しい思いをせめて辞世で後世に伝えた。

⑤保井寺
日野の南側の小高い丘陵に多摩動物園があるが更にその南側に法井寺がある。日野に比較的近い位置にあり、里の雰囲気を残す場所である。
この法井寺に新選組隊士、斉藤一諾斎が眠る。
同じ新選組でも白河で歳三に変って隊長役を勤めた斉藤一とは別人物である。

Hatioji54 斉藤一諾斎は住職として全国行脚した後に各地に歴任する。慶応4年(1868)新選組が甲陽鎮撫隊として甲府へ目指す折に甲州全福寺の住職であった一諾斎は甲府を目指す新選組に参加する。当時、55歳と言う高齢での異例な新選組参加であった。
甲州路を西下する甲陽鎮撫隊には土地勘のある一諾斎は道案内役に役立ったと思われる。
甲陽鎮撫隊は勝沼戦争で破れ、一諾斎は土方と共に東北へ転戦する。一諾斎は、仙台で降伏後、放免される。

当地に戻った後、地元の教育に尽力。後に自由民権運動に参加する教え子達などを輩出し地元教育に注がれた熱意が地元の人達にも讃えられている。
保井寺の東隣に大塚観音に一諾斎の碑がある。建碑の寄付者は教え子で育った由木地域の自由民権活動家が中心であるが土方歳三の兄喜六の長男「隼人」、佐藤彦五郎の長男「俊宣」、近藤勇の義子「勇五郎」など新選組関連の末裔達の名前もある。

一諾斎の教え子など、新選組が育った多摩地域のエネルギーは民権運動として時代を越えて繋がってゆく。

その1、その2で日野市を抱え込む広大な八王子市を駆け回った。多摩地域として誕生した新選組隊士や、天然理心流など関わりの深いことが判る。

旅の詳細はこちらで紹介しています。ご参照下さい
ようこそ幕末の世界へ

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